MIAUイメージキャラクターみゃうたんのフィギュア。がもしあったらこんな感じで。
神原型師の手にかかれば、魚ぐらいいくらでも飛ばせるに違いない。
あ、今気づいた。キーボード描いている内に左右逆にしちった。超ショック。というわけでこれは鏡の中だ。
なんてことを言っていたら、> なんか面白そうなので立体化してみますです。とかいうウェブ拍手が! 正座して待ちます! (2008/06/21 00:17追記)
著作者 : 未識 魚
最終更新日 : 2010-05-22 03:09:19
青少年ネット規制法案に関連してすっごく大勢の人から賛同をいただき、とても心強く思っています。正直この法案絡みのウェブ拍手については、ブログの記事として返信できる上限の数を大幅に超えてしまっている感じなので、その辺はお許しください。
さて、色々なリアクションがある以上当然否定的な意見もあるわけで、それもありがたく消化してはいるのだけれど、その中でちょっとがっかりしているのが藤代氏の記事だ。ざっくり言えば、「アンタはオタクだの萌えだのといった属性を掲げながら法案反対の論理を組んでいるが、それは止めた方がいいよ」ってことだろう。
藤代氏は、警察系の研究会へ参加しているところなどを考慮するに、どちらかと言えばネット規制容認派というか、穏便派なのだろうと思う。だから、今回の俺のように大きく騒ぐことを決めた反対派の人間を批判するのは分かる。そこはどうでもいいんだ。
俺が気に入らないのはそのロジックと根拠だ。高市法案についての反対意見を「ナイーブでイノセンスな反対運動なのはロリ絵師だから」というようなロジックで批判してくる時、そこにはどうしようもない偏見が入っているんじゃなかろうか。
最近は街中でエアガン乱射するような公共の福祉に反しているDQNなオタクもいるそうだけれど、俺は納税しているし年金払ってるし遵法意識も高いつもりのオタクでありネットユーザーである。そして俺のみならず、社会的に全うであるよう不断の努力を払い、慎ましやかに生きているオタク達の方が圧倒的に多いのだ。
俺の描くものを嫌いだとかキモいなどと受け取る人がいるのは、嬉しさの対極ではあるが当然甘受する。「フィギュアなんてキモい」という意見も、言論の自由が保障される国だから、大変結構な意見の1つだと思う。でも、「『萌え』とか『オタク』っぽいものは法案反対の運動から抜け」という主張は、受け入れられない。
社会の中でひっそり生きてきたオタクが、オタクとして生きていくことを妨害されそうになった時、それも単に「今までと同じようにひっそり絵が描きたいなぁ」程度のしょっぼい立場を守りたいというモチベーションから、全然やりたくもない 政治的な努力を払わねばならないこと、そのために実名も顔も晒しているということ、それが俺の現在の状態だ。それは必然的で社会的で、嬉しく無いけど政治的で、でも極めて健全な民主主義国家での運動であって、そこにはケチをつけられる覚えも無ければ根拠も無い。第一このサイトは、俺が自分で金を払ってサーバを借りて、自分でCMSを組んで、個人で運用しているものだ。純粋に俺個人の見解を述べるものに過ぎない。
「オタクを見たら犯罪者と思え」、「オタクだから気持ち悪い」などというのは紛れも無い偏見であろう。そして、犯罪者ではないオタク達当事者が、そういう一般の偏見を振り払おうと努力することが、何故社会的に妥当な運動ではないと考えられるのか。大塚英志や岡田斗司夫から森川嘉一郎まで延々続いてきたそうした努力を嘲笑する根拠は一体何だろうか。
それは、そういう人達の価値観が、「オタク」なり「萌え」なりを気に入らないという、どうしようもない理由じゃないのかね? どうして、オタクが被害を蒙るだろう法案への反対運動から、オタク的なものを抜かなければならないのかね? 俺は別に「小学生にエログロマンガ読ませたい!」なんて主張をしているわけじゃないんだよ。どうして「『萌え』を社会的に妥当な文脈の中に位置づけようという努力があっても良い」などとは発想できないのだろう? もちろん、そのための手法として拙いという意見なら、ありがたく受け入れるけどさ。
そもそもこの高市早苗議員の法案については、一部のブログや新聞報道で簡単な概要だけ伝えられていたものの、詳細については誰も載せていなかった。高市法案の個別具体的な内容についてネット上で大騒ぎを始めたのは俺でありMIAUであったわけだ。だから大声を上げる必要があった。そして、大声で大勢に伝える以上、問題点は分かりやすく単純に整理し、そのための根拠も誰もが理解できるものにする必要がある。
そういう「分かりやすくするための整理」や、メディアへのコンタクトを積極的にやらなかった人が、後になってからその整理の様を「イノセント」やら「ナイーブ」などと批判するのは、言わば「後出しジャンケン」だろう。反対するなら反対するで、誰よりも早くこの法案のダメさをわっかりやすく伝えていれば良かったじゃないか。
児童ポルノ法の改正案にしても、青少年ネット規制法案にしても、あるいは、ダウンロード違法化問題にしたって、法を改正したり作ったりするための根拠には実態を伴わない漠然とした偏見、「ネットが悪い」、「オタクはキモい」などが用いられていると俺は感じる。今問われているものは、そういう偏見を掃っていこうというちょっとポジティブな覚悟だと思うんだな、俺は。
まだこれも噂でありウラは取れてない情報だが、高市早苗議員は連休明けに法案を国会提出するつもりだという。あのオバサン、本気だぜ。余り時間も無いので、正統的に論理で攻めていくだけではなく色々と搦め手を考える必要があるだろう。
たくさん頂戴したウェブ拍手など(ありがとう!)でも、「一体どういう経緯なんだ?」とか「何でこんなのが出てきてるの?」とか「いきなり無茶な!」といった意見が結構あったので、この法案の経緯と彼女の背後を、ものすごく大雑把にだが、記してみることにする。
そもそもこの法案は、『青少年有害社会環境対策基本法案』(Wikipedia)の亡霊である。やや昔のことなので、今騒いでいる青少年ネット規制法案が直撃するであろう10代の人たちなんかは、この法案の存在を知らないかもしれない。この法案は、「青少年の健全な育成を阻害する社会環境から青少年を保護する」という名目で、テレビ、ラジオ、書籍、ネットその他、メディアを問わず「有害」とされるものを規制することを目指したものだ。
この法案が出てきた時、テレビや新聞、書籍などといったメディアを扱っている団体、例えば日本民間放送連盟や日本書籍出版協会が、猛烈な反対をした。民放連は、表現の自由を侵害すると大上段に構えたし、書籍出版協会も、検閲だとして強い調子で非難している。他にも、日本新聞協会、映倫管理委員会、日本雑誌協会、マスコミ倫理懇談会などなど、有力なメディア団体はこぞって反発した。2ちゃんねるでも、延々と法案反対のコピペが貼られ続けた。
結局この法案は、2度国会提出を試み、2度とも葬られた。だから今回の青少年ネット規制法案は、3度目の正直というわけだ。そして今回は、民放連や書籍出版協会などといった、強いロビーイングを行える主体がないインターネットのみを狙い打ちにしてきている。テレビや新聞などの既存の大手メディアにとって、インターネットは目の上のたんこぶだ。今回、インターネットという“なにやら俗悪っぽいもの”のために、テレビなどのメディアが反対の狼煙を上げてくれる可能性は、無いと考えるのが妥当であろう。
さらにイヤな情報がある。高市早苗議員は、新聞の「特殊指定」の廃止に反対してきた人だ。新聞の特殊指定というのは、まあつまり、日本全国どこでも同じ値段で新聞が買えるようにするための規制の1つだ(Wikipedia)。書籍や音楽CD、新聞などの再販制度・特殊指定の見直しは、時々取り上げられるものの、業界団体の猛烈な反発にあって、毎度毎度潰されてきた。そして、高市早苗議員は、特殊指定が無くなったら新聞の価格が上がるとか、国民の知る権利が侵害されるなどと称して、この価格維持制度を守る先鋒として奮闘してきた過去を持っている。だから、新聞業界にとっては涙が出るほどありがたい存在なのである(参考:livedoorニュース)。さて、そんなありがたい高市議員様が推し進めていらっしゃる青少年ネット規制法案に、新聞や、その新聞と深く結びついているテレビキー局が、積極的な反対を表明する理由は、どこかにあるだろうか? そう、既存のマスメディアの多くは、この法案の問題点を、多分黙殺するだろうね(ただ俺は、既存のマスメディアにも、志のある記者さんが大勢いることを知っている。彼らの良心に期待しているよ)。
まあつまりだ。この法案を推進している人たちは、長い年月をかけて外堀を埋めて来ているし、本気でこの法案を成立させるつもりなんだね。ということは、反対する側もちゃんと本気になる必要がある、ってことだ。現在のウェブメディアも、もう決して小さな勢力ではないしね。できるだけのことをしてみようと思う。
今回は特に意図的に、Googleだけで調べ、Wikiepdiaの記事を参考にして文章を書いてみた。30分くらいでこれだけのことが調べられるインターネットって、すごいと思うよ。一応俺は結構長いこと先生業もやっているから、学生がどっかのサイトからのコピペでレポート課題を誤魔化そうとする様なんてのは、散々見てきている。でも、コピペで誤魔化せるようなレポートってのは、その課題の出し方にも問題があると俺は思っている。Wikipediaに載っているようなのは公知の情報なんだから、そんなもので誤魔化せるのは問題の方がおかしいわけで、そうした公知の情報を用いて新たに何がくみ上げられるかが、本当に問われるところになるだろう。公知の内容について無駄な手間隙をかけずに簡単にコピペができて、その上で新しい論理をくみ上げていくことができる世界って、俺はとても幸せな形だと思うね。18歳未満がそういうことすら満足にできない環境に押し込まれるのは、悲しいことだ。
俺はメールとかskypeとかメッセンジャーの読み書きに疲れました。ものすごい勢いで高市議員とか高井議員へ突撃するつもりだった俺は、職場で力いっぱいなだめられました。おかげで落ち着いた。
ウェブメディアが、ある程度ウラを取って反応してきてくれたのが嬉しい。CNETに続く他社も期待しています。
何人かから質問がありましたが、MIAUで法案を公開しなかったのは、メディアが法案の中身を報じる前に出しちゃった場合、その議員にかなりの迷惑がかかるという理由からです。法案が自民党の内閣部会を通っているものであることは確証を得ていますが、我々としては、その部会関係者の誰がどう法案をリークしたのか分かり辛くなるまで、待つのが仁義だと思います(2008/04/07 20:59追記)。真偽については、複数ルートで法案を手に入れる術を持っているジャーナリストやメディア等の報道を待てば良いと思います。
さて、俺が激怒して記事を出した6時間くらい後で、ダイアモンド社の方から詳しい内部情報を含んだ町田徹氏の記事が出ました。その町田さんの情報と似た話ですが、以下は俺が耳にしただけの噂話だと思ってください。俺はこういう政界の事情には詳しくないので、一切の真偽は不明です。ウラが取れる人がいれば動いていただけると幸いです。
高市早苗議員の法案については、自主規制で対応したい自民党総務部会が否定的なため、現状そのままの状態だと「党議拘束」をかける(自民党員は反対を許されない)形では通せないのではないかと。ただし、彼女がそれを無視して出すということもありえるし、その場合も民主党がアレだったり、「オマエは未成年にポルノを見せたいのか!?」とか問い詰められると反対し辛いなどなどの理由で、超党派の賛成多数となって可決されてしまう可能性がある。これ主導しているのは内閣だしね。
また、MIAUが入手している最新の民主党法案は4月2日のものですが、さらに新しいものはよりマイルドな内容になっているという噂を聞きました。ただし入手できていないのでこれも真偽は不明。
今のとこそんなです。
18歳未満の人たちがインターネット上の「有害情報」に触れないようにする対策を講じる法律案ってのが、3月の中頃から末頃にかけて、姿を現してきた。朝日新聞の記事では少し紹介されているが、それ以外の大手マスコミには全然出てない。っていうか、ペーパーメディアの人間は全然ヤバさを認識してない。あるいは、分かっててトボけている。この法律案、ものすごくヤバい。
この件については、個人・MIAU的にはある程度動いていたものの、全く表沙汰にしなかった。沈黙していた理由は、早くから表立って行動してしまうと、情報をリークしてくれた人を潰してしまう可能性があったからだが、ここ数日で他のルートからも、法律の骨子、条文、概要の3点セットが回ってきたので、もう堂々と話して大騒ぎすることに決めた。 もう、スゲームカつくんだよこの法案! この法案は、推進者の性格も加味して考えると、児童ポルノ法よりヤバい。つーか、この国は中国になりたいのか?
まず状況を整理しよう。本当は全部丸ごとコピペしたいところなんだが、そいつはもうちょっと待ってほしいので、とりあえず俺の要約と説明で耐えてくれ。
で、これらの法案の何がヤバくてムカつくのかという具体的な中身についてだが、民主党法案はかなりラフな体裁になっているのと、内容自体は不思議なくらいに自民党案とソックリなので、完成形が見えている自民党案に基づいて話しておこう。
これらが、ネタじゃなくて大マジ。俺、手元の法律案見ながら書いてるもの。アリエネーよ。なんか心底寒くなってこない?
俺なりに問題点を3つくらいに整理すると、
自治体レベルならいざ知らず、内閣府で委員会を設けて基準を示す上、間接的とは言え削除が行われるのは、検閲だろう!
……と叫びたくなるわけだが、だがしかし高市議員が老獪なのは、ちゃんと逃げ道を用意しているところ。それはつまり、内閣府の委員会自体は、単に基準を示しているだけで、実際のコンテンツの削除やらサービス停止やらフィルタアウトやらを行うのは、民間の事業者だっていう構図だ。で、コンテンツを封じたのは民間の事業者なので、文句はそっちへ言ってね、そのために調停機関は作るから、となっている。国は直接手を下してない、だから検閲ではない、どうだ文句あるか、という筋道。池田氏はこの調停機関の存在を評価されてるけど、俺は全然評価できないな。
って書いたら、池田氏から「いかなる規制にも絶対反対」「『紛争処理機関も認めない』」とか要約されちゃったよ。おいおい、あなたは味方を背後から撃つのが趣味なのか? 俺としてもMIAUとしても、ナイーブな自由主義や無政府主義の肯定なんか、したことないだろう。検閲じゃないという逃げ道に、あの国分さんのIAJapanが中心となるだろうADR機関には、反対なんだよ(2008/04/05 16:34追記)例えば、性的・暴力的な言葉があるという理由でWikipedia全体をフィルタするのって、本当に青少年の利益になっているのかね? という疑問は当然沸き起こるわけだけど、これにも反論は用意されている。「青少年の健全な育成のために、多少の弊害は止むを得ない」。だから多少ってどこまでなんだよ。
あるいは、PCメーカや携帯キャリアのコスト上昇分に見合うだけの効果、「青少年を守る」という社会的な利益が得られるのかどうかの検証を経たのか、というような、極めて合理的な反論もありえるだろう。ところがだ、これも反論はあるんだな。「コスト云々と称して健全育成のための努力をしないことは社会的・倫理的に許されない」。
また、LinuxのようなオープンなOSを用いたPCが作れなくなるんじゃないかとか、個人のウェブサイトを封じるような行為は、日本からのイノベーションや、自由な情報発信を殺すんじゃないか、というような、疑問もありえるだろう。でも、反論はきっとこんな感じ。「Linux? ナニソレ? まあ、作りたいなら法律守ってがんばれば?」
実はこの法案には、「インターネットの適切な利用に関する教育の推進等」という条文があるんだが(15条~18条)、そこで述べられている教育ってのは、「ガキにフィルタリングソフトウェアを使わせるために、学校とか自治体とか国とかはいっぱい努力しろ」という、とても清清しい内容である。違うだろ! フィルタリングソフトウェアを使わなくても問題なく情報社会で生きていけるような技術なり、倫理なりを身に着けること、そういう教育へ注力する方がずっと大事だろうが! そんな教育のメソッドが無いっていうなら、それこそ国がカネを出して確立するべきところだろう。
つまり、この法案で何がしたいのかというと、
ってこと。これじゃあ、中国のグレートファイアーウォールを嘲笑できませんよ。この法案が成立した暁には、日本の18歳未満がつなぐ「ソレ」は、もう“the Internet”じゃない。
で、自民党議員の目から見ていると、ガソリンだの日銀総裁だのグダグダ揉めている国会の混乱に乗じて、提出する気満点なんだってさ。民主党案ははっきり言ってズタボロの出来なので、対案として自民党案が出てきたら、「青少年は守らんとねー」、「やっぱり自民党案はしっかりしてるなー」って流れになるだろうし、下手するとそんな議論にもならずにススッと通ってしまうかもしれない。もうね、久しぶりに、心の底から腹が立った。
俺はね、政治的な活動って、大嫌いなんだよ。絵描いてる方が好きだし、実は高校の頃は音大目指してたくらい音楽も好きなんだ。上手い飯食うのも作るのも好きだし、一応まだ学生でもあるから、調べものしてたり、あとコード書いたりするのとか、そういう方が何倍も好きだし、お金にもなる。MIAU のような活動、別に一銭にもなっとらんのだ。
でもさ、児童ポルノ法の改正案もムカついたけど、この法案には反吐が出る。分かったよ、政治活動って、こういうのが原動力になってやることだったんだね。だから、がんばって騒ぐことにする。
いまさらだけど、ウッウッーウマウマ(゚∀゚)を描いてみた。
生まれて初めてまともにキャラクターのアニメーションを描いてみて、その難しさを思い知りました。1枚絵とは全然文法が違って、絵そのものじゃなくて、今の絵と次の絵との間にこそ答えがある感じ。アニメーターは偉大だ。
単に動いてるだけなのもなんなので、BPM(テンポ)に合わせてFPS(絵のスピード)が変動するスクリプトを、JavascriptとFlash(ActionScript)で書いてみた。
Javascriptのみならず、画像のソースとか*.fla も公開しておくので、SetIntervals とか ActionScript で FPS をいじりたい時に悩んだりしたら、適当に中身調べてね。
Debugの時は、例の“Caramelldansen”じゃなくて、Colour of Loveでやってました。Kevin "Reese" Saunderson は BPM120前後が多くてやり易い。
児童ポルノ法の改正、いや改悪案が進行中だ。これは正直いってものすごくヤバい。というわけで、『 児童ポルノ法改正案という本末転倒 』 という記事をライブドアに書いたけど、この一般向けの記事では書ききれなかったことを書いておきたい。
今回の児童ポルノ法の規制肯定派の人達の立脚点はこんな感じだ。
子供を裸にひん剥いて写真を撮ったり、セックスしてビデオに収めたりすることのみならず、そういう絵を描くこと、考えること自体も、子供の人権を侵害する行為だ。そうした作品が商業ラインに乗っていることも度し難い。子供達の人権を保護し、こうした行為が行われないようにしよう。
このロジックにはケチがつけられないように見えるかもしれない。でも、ライブドアの記事にも書いたとおり、こういう肯定派・推進派のロジックには詐術が入っている。記事では、自己目的化しているんじゃないか、という指摘に留めているが、せっかくだから、より厳密な表現を試みてみよう。
何が詐術なのかとというと、この法律が、2つの異なる目的の達成を強引に1つにまとめ上げているところだ。そもそも児童ポルノ法の正式名称は『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律』という。名前から分かるとおり、この法律には2つの目的がある。
前者は、法律が規制を行うことで個人の権利を守ろうとするものだ。このように、ある法律が個人のためにもたらそうとする利益のことを、「個人的法益」と呼ぶ。一方、後者は、「社会的法益」と呼ばれるもので、ある法律によって守られる社会全体の利益のことである。
前者が重要視されているのならば、この法律は実在の「子供の人権」を守るためにあるのだから、子供の絵や「18歳未満を演じる大人」などはどうでも良いことになる。一方、後者を重要視しようということならば、「子供の絵を描くこと」や「18歳未満を演じる大人」を禁じることだって、「社会全体に利益」をもたらすということで、法律の目的にしていると考えられなくもない。
つまり、この2つの目的は元々、守ろうとする対象が違う。これを、同一だと錯覚させているところに詐術性がある。詐術より穏便な言い方をすれば、児童ポルノ法の論理のトリックであり、それ故に議論がし辛い部分である。
前者については、個人の権利を守るため売買春や人身売買や望まない性行為を社会全体で禁止するということならば、辻褄は合っているし、論理に問題もない。個人的法益を守るという部分については、問題ないだろう。
しかし、表現を規制して社会的法益を守るという方はどうだろうか。「ポルノ」や猥褻表現を規制する理由は、社会風俗が乱れないよう維持するという社会的法益をその理由と解釈するのが一般的だが、何故「児童」の人権という個人的法益を、その理由として設定し得るのだろうか。これは、「児童」が「児童ポルノ」の被写体となることは人権の侵害であり、「児童」の人権侵害は善良な風俗などの社会的利益に反する、という理由に基づいている。今回の規制も、この発想の延長線上にある。
一見納得してしまいがちだが、ここには論理の飛躍がある。簡単に言えば、特定の個人(=「児童」)の利益とされるものを、極限まで増大させることが、社会の利益そのものである、という論理を立てているところだ。このロジックをそのまま突き詰めていけば、一部の個人の利益と社会全体の利益とが等しいことになってしまう。
これは原理的にありえないことだ。利益が無尽蔵でない限り、一部の個人の利益ばかりを増大させれば、社会全体の利益は減じてしまう。だから憲法には「公共の福祉」という概念があるわけだが、規制派はそこを無視しているどころか、個人の権利、しかも、存在しているのかどうかも良く分からない個人の権利を増大させることが公共の福祉であるというフィクションを立ててしまっている。規制派の論理は、そもそもの保護法益という、法律の根本のところから、矛盾を抱えている。
例えば、「自分の子供時代の写真を大人になってから自分の意思で公表することもできなくなる」あるいは、「芸術であれ、医療写真であれ、『児童』の裸ならアウトっぽい」というような規制が、本当に社会全体の利益になっているのかどうかは、疑わしい。児童ポルノ法の半分は、現行のものですら、このよく分からない論理を土台にしている。そして今回の改正は、この良く分からない論理をさらに推し進めようとしている。これが大変よろしくない。
ここまで原理的に考えないとしても、この規制派のロジックには、大きく分けて3つの問題がある。
児童ポルノ法の改悪に反対する議論は概ねこの3つの分類とその組み合わせに分類することができる。
一方、規制の合理的に見える根拠は、「児童ポルノ」は人権の侵害であるという論理的飛躍と、それを正しいとする信念に存在することになる。だが先に見たように、これは合理的とは言えない。それ以外の根拠も、合理性ではなく倫理や信念の部類であろう。よく挙げられる根拠は、例えば以下のようなものだ。
以上を鑑みるに、この規制派と反規制派との議論は、そもそもの前提をちゃんと議論しなければ、全く噛み合いようがない。規制派は「『児童』を守れ」という信念を示し、反規制派は、「それは『児童』を守っていない」という反証を挙げる作業の繰り返しで、極めて不毛である。今何より必要なのは、規制派が議論の場に出てきて、先に挙げた規制派の問題点、A,B,C について応えることだ。もし合理的な根拠があるならば、規制は積極的に行うべきであろう。しかし合理的な根拠が無いのなら、この改悪案は無用であろう。
というわけで、MIAUでもこうした議論の場を設けたいと思う。乞うご期待! あと、登壇してみたいというエラい方も実はこっそり募集中!
すっかりお知らせし忘れてましたが、MIAUの幹事メンバーとして、時々本名でライブドアに記事を書いています。ちなみに原稿料はMIAUで会場借りたり資料コピーしたりする費用として使ってるので、ロクに手元に残らないぜ!
まあ記事中で触れてる映画関係の仕事ってのはそろそろ辞めるんですけどね。