正方形の変形本にしました。我ながらかわいい仕上がりになりました。
ちびキャラ化して世界を巡る小学生…という皮を被ったホンモノの世界一周記です。 五大陸を巡ってきた作者が独断と偏見に満ちたビネット(箱庭)とマンガで世界各国をお伝えします!
著作者 : 未識 魚
最終更新日 : 2018-12-31 01:07:12
正方形の変形本にしました。我ながらかわいい仕上がりになりました。
ちびキャラ化して世界を巡る小学生…という皮を被ったホンモノの世界一周記です。 五大陸を巡ってきた作者が独断と偏見に満ちたビネット(箱庭)とマンガで世界各国をお伝えします!
技術書典5に参加します。 今回はカタログコンテンツのご依頼も頂いたので気合い入れて描きました!
人間は太陽放射をどう分解し、200年の苦闘の末どのようにモデル化したのか。ニュートンは、なぜゲーテにディスられたのか。20世紀初頭のCIEは、どのように光の工業標準を作り上げ、心理と物理とに分断していた色のモデルを統合したのか。そしてその色と光の歴史はキャラ絵にどう影響を与えるだろうか。
縦横無尽に、でも真剣に考えた、キャラ絵研究家未識魚渾身の『キャラ絵描きアルゴリズム』シリーズ第3集が! ついに出ます!
女の子な服を着てみたい!!
えー要約すると、こっそり家で女装していた中学生の男の子が女装癖をバラしてワキを舐められてイカされる話? という、男の娘百合・ワキフェチの16Pフルカラーマンガです。
はっ、当日のお知らせだ!
P16a osakana.factoryでコミティア124に参加します。
猫で空を飛ぶ創作マンガ!
osakana.factoryは、12月31日・東ヤ37aの創作少年エリアにおります。
新刊はこの5年で一番美しい本でございます!!(ボジョレ・ヌー○ー感)
有坂さんは200万円を手に相棒を世界一周へ誘うことは出来るのか。この数年続けている女子小学生旅行記を総括するマンガ×イラストコラム本。なぜか百合化しました。
ANAやJALのようなフルサービスキャリアと呼ばれる航空会社には、上級会員資格という謎の会員制度があり、これを取得するために頑張っている人達を、俗に「修行僧」と呼びます。修行のキモチを考えていくと、「旅客機に乗る」というのが一体何にカネを払っているのかが分かってくる…ような気がする、「旅」を考えるJS漫才マンガになっているのではないかと!
日曜日、東さ30b“osakana.factory”でお待ちしております。
4月9日の技術書典2に向けて本を作りました。
UVニス塗ったらグロッシーですっごい綺麗デスよ。
さて、本の中身について少し。根本的な課題は、どうやって手を抜いて楽しながら高密度な絵を描けばいいのか。である。
ちょっと情報系の何かをかじった絵描きならみんなそう考えたことはあるはずだ。で、そういうことを考える人なら、「上から2番めのアイコンをダブルクリックしてー」的なPC操作手順を覚えさせるPC教室の類よりは、「ウェブブラウザを立ち上げる」という行為の意味を教える方が真っ当な教育だということもお分かりいただけるだろう。
キャラ絵についてそういうことをやってみた……とまで言うと流石に言い過ぎなので、そういうことを考えたいなぁという意思表明がこの本なわけである。
情報量が上がるということと記号的であることみたいな話を延々してます。
この本で取り上げている一つの概念は、 平均情報量 というやつだ。それ自体は、情報系の学部などだと1年生のときに教わると思うが、どんくらいの絵の密度があるかというのを計算できる形で示したものだと思ってもらえば大体合っている。少なくとも、キャラ絵を描く時に背景のベタ色の面積をどれくらいにしたら好いのかなどを判断する時に役立つ指標だと思う。
以下のフレームの点線内に画像ファイルをD&Dするか、 https://ofo.jp/calcimageentropy.php を直接開いてもらえば計算ができます。
この概念がどういう風に使えるか少し説明すると、例えば、DMMで見られる成年コミック(いわゆるエロマンガ)の月刊ランキングトップ100冊の表紙の平均情報量は、100冊平均で0.9558(最大は1で最小が0ね)、分散は0.0008という極めて小さな範囲に値が収まる。 一方で、Amazonのコミックストアで高評価なコミックス300冊分を計算してみると、平均情報量は0.80程度、分散は0.02くらいの数字になる。というような比較をすると、あーエロマンガの表紙ってなんか「描き方」に一定の傾向があるよねー、って気がするじゃないですか。そして、ちゃんと定量化できるのねーというところを踏まえて色々考えようよと。
そういうことを、超面倒くさいところ(オブジェクトとインスタンスの話辺り)から考える本です。お-03 osakana.factoryでお待ちしております。
前日ですが、冬コミに参加いたします。 東7ホールのx02aに、いつもどおり“osakana.factory”で参加しています。新刊は千住本第2弾です!
新しい情報はTwitterでね。多分、Comic Zinさんでも委託していただくと思いますのでよろしくお願いいたします。
里好さんの新刊、『哲学さんと詭弁くん』の1巻が出てちょっと経っちまったのだが、明後日には『踏切時間』も出ることだし、里好先生を崇める会会員ナンバー1番を僭称する俺が、『哲学さんと詭弁くん』のAmazonレビューをリライトして、どう巧いのかというのを解説したいと思います。
里好さんは中堅作家ということになるのだろうか。最初期の『うぃずりず』の頃からいわゆる日常4コマの中にいながらちょっと違う道筋を作ろうとしている作家さんだなと思っていたら、『ディス魔トピア』で少しサイバーパンクをやって、そしてまた帰ってきたのだ、漫才マンガの世界へ!!
誤解されがちではあると思うんだが、『哲学さん~』の里好さんの土台は哲学ではない。たとえ女の子が折口さんで下の名前は多分「しのぶ」さんだとしても、そういうペダントリーは全てネタである。
里好の本質は間違いなく「漫才」だ。
Wikipediaによる漫才の定義は、「2人の会話の滑稽な掛け合いの妙などで笑いを提供する」話芸だそうだ。正にコレのことよ。小難しい言葉を使いこなして天然ボケを繰り出す女の子に翻弄される男子高校生が頑張ってツッコミを入れていくマンガである。
その漫才のネタが、哲学や社会思想から拾われているのがこの作品の「変」なところだ。範囲はかなり広い。アリストテレスちゃんからポパー、リチャード・ローティまでほぼ並列化されているところは本作の大きなポイントだ。ハイデガーのことは「センス・オブ・ワンダ~」と評しちゃう。
純粋に社会思想史的な視点から見たら文脈がブツ切りにされているわけだが、これは、全部漫才のネタなのだ。対話は時空を超える。対話とは、人間が人間たらしめる「言語」を駆使した、人間の快楽の一つである。高度に練り上げられた対話の演技である漫才で、社会思想史の文脈を振りかざすのは野暮ってもんだ。里好さんのマンガは、埋め込まれている元ネタが分からなくても普通に読めてしまうように、二重性を持って作られている。マンガを漫才として読む上で、哲学ネタは全く理解しなくても問題ないように練られている。
そうなんだ、本作は、「知ったかぶりの知識を振りかざしている高校生男女のイチャイチャラブコメマンガ」として普通に読める。むしろ、表に散りばめられている社会思想史的な概念は全部デコイ(囮)で、ただのイチャラブマンガと読んでも別に問題はない。ネコとは和解せよー。
この後、Amazonレビューは字数の問題もあるので、「漫才マンガってのは2人の会話だけになるから、絵的な緩急がつけにくくて結構難儀する。本作はかなりその点工夫が散りばめられていて、アングルも多様だし背景にも力が入っている。3DCGフル活用なのだろうと思う。その点でも学びの多い作品だ」とだけ書いたのだけど、「本作はかなりその点工夫が散りばめられていて、アングルも多様だし背景にも力が入っている」という点を、絵描き向けにもう少し解体しておきたいと思う。というのも、里好さんの作品は、さらりと読めてしまって巧さが分かりにくいんじゃないかと思っているのだ。
漫才マンガは構図が単調化しやすい。だって2人が会話しているだけだから。右向きのAさんと左向きのBさんを交互に繰り返すだけでマンガとして「読める」ものになってしまうのだ。俺が同人誌で漫才するとこういう無精な絵を描く。
『千住少女』より
しかし! 当然というかさすがというか、プロはこのワンパな右向きと左向きの繰り返しを、様々なアングルとショットサイズへ「散らす」のである。上下の目線の位置(アングル)や対象の大きさ(ショットサイズ)を様々に散りばめてバリエーションをつけてくる。これが里好さんは地味に巧い。メインの2人登場の初っ端から、バストショット、ウェストショット、ロングショット、クロースアップ、マクロショット入り混じっている。単に「分かりやすくて読めるマンガ」を超えて、表現力というのが問われてくるプロのマンガというのは、ここから先の地平なのだ。
空間を意識する絵には、どこかに仮想的な画家の目線、つまり「カメラ」を置いて、その仮想的なカメラから写真が撮られているようなものだと理解することができる。だから、映画・映像の作り方とマンガの絵との距離というのは、実は結構近い。
里好さんがカメラを意識しているのはこの辺を見るとよく分かる。こんな絵を描く人がカメラ意識してない訳がない! っていうか今3DCG使えば、レンズの焦点距離とか普通に出るからな。
で、アングルやショットサイズを工夫するのは映像表現でも同じなのだけれど、これはマンガなので、いわゆるイマジナリーラインをぶっ飛ばしまくる。それがまた絵の豊富なバリエーションになっている。
こういう辺り、里好さんは、理解した上でぶっ飛ばしている(と思う)。わかった上でぶっ飛ばすっての、ほんと難しいんだよねー。意志の勝利ってヤツ?
おわかりいただけるだろうか、2コマ目から3コマ目でカメラが反対側へ回り込んでいるわけであるが、実写でもアニメでも映像作品では絶対にやらない絵である。しかし、こうしている方が詭弁くんのあさってに吠えている感が出る。
それから、里好さんの絵は取り立てて目立つ萌え絵に見えないかもしれないが、絵描き視点で見ていると「俯瞰の巧さ」がおかしいレベルで巧い。
背景の絵については、写真や3DCGでかなり技術的に平準化した部分はあるけれど、一般的に、萌え絵描きは俯瞰のキャラクター、特に頭の上の方から見下ろした顔を描くのが苦手である。瞳が髪に隠れたり、顎の線が隠れたりするから描き難い。できれば描くの自体避けたい。それでかわいさとか表情をキープするのはなかなか困難なのだ。だからかなり顔の形を歪まして嘘を吐かないといけないのだが、中々「コレだ!」という巧い嘘がない。厄介なので避けたい。
しかし里好さんはいろいろな俯瞰を描いてる。これは絵が巧くないと、というか、相当な試行錯誤がないと出来ない。うおぉぉ試行錯誤してんだろうなー。クソっ、巧いなアンタ!(当方、上手い絵にはもれなく嫉妬します)。
あと、斜めからの顔の描き方も巧い。この辺、里好さんはフィギュア作りまくっている故というのもあるのかもしれない。これは中々描き難いよなーという絵をさらりとお描きになってる。
さらりと描いてあるけどこの折口さんの頭頂部から観る絵は地味に難しいぞ!
里好さんは、萌え4コマ第二世代という立ち位置のみならず、重層的に読めるシットコム的な漫才マンガを切り開いていってるように思います。これからも楽しみにしてます。