4月9日の技術書典2に向けて本を作りました。
UVニス塗ったらグロッシーですっごい綺麗デスよ。
さて、本の中身について少し。根本的な課題は、どうやって手を抜いて楽しながら高密度な絵を描けばいいのか。である。
ちょっと情報系の何かをかじった絵描きならみんなそう考えたことはあるはずだ。で、そういうことを考える人なら、「上から2番めのアイコンをダブルクリックしてー」的なPC操作手順を覚えさせるPC教室の類よりは、「ウェブブラウザを立ち上げる」という行為の意味を教える方が真っ当な教育だということもお分かりいただけるだろう。
キャラ絵についてそういうことをやってみた……とまで言うと流石に言い過ぎなので、そういうことを考えたいなぁという意思表明がこの本なわけである。
情報量が上がるということと記号的であることみたいな話を延々してます。


この本で取り上げている一つの概念は、 平均情報量 というやつだ。それ自体は、情報系の学部などだと1年生のときに教わると思うが、どんくらいの絵の密度があるかというのを計算できる形で示したものだと思ってもらえば大体合っている。少なくとも、キャラ絵を描く時に背景のベタ色の面積をどれくらいにしたら好いのかなどを判断する時に役立つ指標だと思う。
以下のフレームの点線内に画像ファイルをD&Dするか、 https://ofo.jp/calcimageentropy.php を直接開いてもらえば計算ができます。
この概念がどういう風に使えるか少し説明すると、例えば、DMMで見られる成年コミック(いわゆるエロマンガ)の月刊ランキングトップ100冊の表紙の平均情報量は、100冊平均で0.9558(最大は1で最小が0ね)、分散は0.0008という極めて小さな範囲に値が収まる。 一方で、Amazonのコミックストアで高評価なコミックス300冊分を計算してみると、平均情報量は0.80程度、分散は0.02くらいの数字になる。というような比較をすると、あーエロマンガの表紙ってなんか「描き方」に一定の傾向があるよねー、って気がするじゃないですか。そして、ちゃんと定量化できるのねーというところを踏まえて色々考えようよと。

そういうことを、超面倒くさいところ(オブジェクトとインスタンスの話辺り)から考える本です。お-03 osakana.factoryでお待ちしております。
著作者 : 未識 魚
最終更新日 : 2017-04-09 11:48:00