全文検索(S)

アフタ

自分の体質でゴッツ悩ましいことがある。どうも口内炎が出来やすいのだ。今も 1 つ飼っている。

ここでいう口内炎というのは、口の中に白っぽい丸いくぼみのようなものが出来て舌や食べ物が触れるととても痛い、アフタ性口内炎と呼ばれるあの炎症である。かなり多くの人が悩まされるにもかかわらず、根本的な原因不明、治療法も不明という、厄介な症状だ。放っておいても最長 2 週間くらいで治るが、その間は舌や食べ物が触るたびに鈍痛に襲われ、中々辛い。ストレスや風邪や胃腸の不良など原因は色々あるらしい。俺の場合はストレス、睡眠サイクルのズレ、栄養バランスの悪化辺りと思われる。

で、根本的な治療法が無いとはいっても、放っておくととても痛いので、とりあえず殺菌消毒などを施すことにしている。口腔内の殺菌というとルゴール辺りが定番なようなのだが全然効かんので、度数のうんと高い酒や医療用のエタノールを使っている。だが、これがとてつもなく痛い。どれくらい痛いって、耳から手突っ込まれて奥歯ガタガタいわされてるくらい痛いのだ。誇張してると思われるだろうが、患部にちょいとアルコールを塗ってやると、アゴから奥歯そして鼻、耳、にまで痛みが染み渡っていき、しばし声も出せないくらい痛い。ジンジン伝わる痛みを追っていくと、口や鼻や耳ってつながってるんだなぁとしみじみ実感できるのだが、しみじみ実感してもあまり嬉しくない。

で、痛みに耐えたところでアフタがおとなしくなってくれれば好いのだが、アルコールの殺菌くらいではそうそう治らない。好転しない時は更なる荒業を使うことになる。これは素人療法なので効果は一切保証しないが、長年アフタと付き合って自分なりに発見した治療法がある。患部を焼いちまうのだ。鉄釘とかステンレスのスプーンの柄を火で熱して、患部に一瞬押し当てるのである。ジュッと。口の中で根性焼きです。アルコールを使うよりずっと危険な技だ。ものすごく痛いように思われるかもしれないが、すぐ表面の細胞が死んでしまうからか、実はエタノールの消毒より痛みは少ない。口腔内は代謝が早いから跡も残らない。でも焼きすぎると水ぶくれが出来たりして却って状態が悪化するので、リスクと効果を天秤にかけられる悪い子以外は真似しないでネ。ていうか、やるな。ただ、上手く焼けばかなり短期間での治癒が望めます。俺も怖いから滅多にやらないけど。

というわけで、そういうヤクザな治療法取らなくてもいいようにビタミン剤飲んだりリステリン使ったりしてみるわけですが、効かんのです。口の中痛いのです。で、今私は古いスプーンを握って右往左往悩んでるわけです。

(44)

著作者 : 未識 魚
最終更新日 : 2006-09-26 17:59:20


<TOP>

[ Copyright 1996-2023 Mishiki Sakana. Some Rights Reserved. ]