そろそろ Winny について語っておくべきだろうか。
Winny にとって不運だった点として、表向きどう取り繕って言い訳しようが、違法に使うことを目的として開発され使用されてきたことで、分散データベースのシステムとして社会的に洗練される機会を、そもそものスタートから完全に失していたことが挙げられると思う。Winny は、出現当初からずっと「社会の敵」だった。P2P という仕組みそのものには、ウェブに取って変わるくらいの明るい未来があり得るのに。というわけで、個人的には、全てのリソースに unique な identifier を明示的に割り当てないのはよくないんじゃないかなぁと思う。MD5 だけでは分散データベースにならない。
しかし、出現当初から「社会の敵」だったソフトウェアにも関わらず、その影響力を無視できないくらい社会的に支持されてしまったというのは実に皮肉であり、これが何を意味しているのか、著作権ビジネスで甘い汁を吸っている人間は考えねばならない。「高いなら、無くても平気さ、嗜好品」。レンタル屋が出てきた時に学習しなかったのかねぇ。
著作権ビジネスを行う仕組みが不要ということでは断じてない。基本的に作家というのは多かれ少なかれキチガイだ。色々とイタイ人達である。オレモナー。キチガイをコントロールして何かをアウトプットさせる業務は必要だと思う。それに、結局作家ってのも、無闇に金持っちゃったらまともなアウトプットしねぇんだよな。ただ、今の著作権法が、ピンハネ屋に利用されているようにしか見えないのも事実。
著作者 : 未識 魚
最終更新日 : 2006-09-26 20:44:49